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吉田 (話が)締まったのか、締まらなかったのか、よくわかりませんが(笑)
伊東 締まったのかなあ。じゃ、先生、卒業生とか学生に、ひとこと最後に。
西尾 そう?うん。
伊東 常葉の心理の学生に、先生から最後のメッセージを。
西尾 あのー、なんだったっけ、あ、私はこの前、好きな言葉をいくつかね、書いたでしょ?(注:最終講義の案内に西尾先生の好きな言葉が書かれていた)
伊東 はい、はい。
西尾 だから、やっぱり(好きな言葉に表れているような)そういう感じですね。
伊東 じゃあ、それを。
西尾 うん。その、心理学やったっていうことをね、やっぱり一生大事にしていってほしいということがありますね。私、臨床(家)だからか、人間関係なんかをやっぱり大切に、っていうかな、それが一番、臨床心理学らしいっていうのか、それが人生にやっぱり一番役に立つと思うもんだから。そんなことで、この前のあそこ(最終講義)で触れたことなんかも、そういう意味で、私がまあ、いつも言ってるようなことで。
伊東 あーそうですね、それですね。
西尾 まあ、もう少しカウンセリングらしいあれ(メッセージ)だと、「感動が人を動かし、出会いが人間を変えていく」。我々は、言って聞かせて、人を動かすってことはできない、と。やっぱり人間ってのは、感動すると、やる。これはいろんなところでね、学生相手でもするだろうね。だから、人の出会いの大切さ、それによって人間は成長していく、あるいはどうこうなっていく、っていうね。これはね、誰だったか、似たようなことを言ってるんだけどね。そういう、スローガンじゃないんだけど、こういうあれ(メッセージ)、結構好きでね(笑)、いくつもあるんだけど、うん。カウンセリングは、人間信頼論ですよね。
吉田 うん
西尾 だから、だまされてもだまされても、信頼しようと。だから、アル中(のクライアント)が、もう今度は酒やめます、と(言う)。(一方私は)もう3回も4回も言ったじゃないか、と(思う)。
伊東 ふふ
西尾 (だけど)もうだまされんぞ、っていう風には考えたくない。「そうか」とね。「信頼する」と。「やめような」と(笑)
伊東・吉田 ふふふ
西尾 うん、(で)だまされ。そういう感じかな、私はね。もう一つは誰だっけ、さだまさしがね、言ってた(言葉で)、「人間には超能力がある」って。2つの道に差しかかった時にね、必ず正しい方向を選ぶ。
吉田 ほう
西尾 ま、人生の岐路にね。そういう超能力、ってこれもね、もうずいぶん昔だけど、さだまさしがまだ売れてた頃(に話していた言葉)だね。だから、さだまさし結構好きでね(笑)うん。で、そういう目で見ると、さだまさしの歌ってのはやっぱり、結構人の心を打つような歌が多いでしょ。「関白宣言」っていうから、とんでもないあれかとみると、結局、女房大好きだっていう歌なんだよね。
吉田・伊東 (笑)
西尾 ふふふ(笑)うん。終戦(の日)の時でも、(さだまさしは)長崎行って結構コンサートを仲間とやって。だからやっぱり、(さだまさしの言っていた)そういう考え方ってのは大事だと思ってね。
吉田 うん
西尾 私はやっぱりそういう考えに立ちたいな、と。うん、人を信じる(という考え方)ね。まあ、つい思うじゃないですか、「あー間違ったなあ、あのときに、あっちの道を行ってたら良かったのになあ」って、やっぱり思いがちだけどね。
伊東 うん
西尾 だけど、そうじゃない、と。あ、これで良かったんだ、ということがね(ある)。私、結構あれこれ後悔する方みたいだけどね、この年になってみると、ああ、あそこでこうしたのが良かったなあ、とか、まさしく一度断ったんだけど、やっぱり常葉へ来て良かったなあ、とね。
吉田 うん、良かったですね
伊東 良かったよう。
西尾 静岡へ来る時もね、結構迷ったりね。
吉田 あ、(地元の)名古屋から(静岡にいらっしゃるときに)?
西尾 そうそうそう、全然こちらへ土地勘もないし、もう頼まれて(だから)、じゃあ2,3年だけ、なんていうようなつもりで来たんだけどね。だけどここへ来たからこういうふうにあれが出来たとかね(ということがある)。
伊東 でもそれは先生が持ってる、やっぱり、こう、徳みたいなものも大分プラスに作用していると思いますよ。
吉田 うん
西尾 どうですかね。まああんまり、そこまでは(笑)えっへっへ、そううぬぼれてないけど。うん。
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つづきます。
(T.Y.)
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